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日々の中で気付いた少し為になること

消費増税で投資用不動産の価値が下がる理由

投資家の皆さんこんにちわ

 

2019年10月より消費税が増税される見込みですね。

消費税が増税されると不動産の価値にはどのような影響があるのでしょうか?

今日はここのところをザクっと検討していきます。 

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不動産、特に賃貸マンションやアパート、オフィスビルなどの収益用不動産の鑑定評価では、収益還元法で価値が把握されます。

当然、不動産市場でそのように価値が形成されているので(つまり、収益価格で取引されているので)、不動産鑑定士が収益還元法を適用して鑑定評価するわけです。

なので今回は、収益還元法、特に直接還元法を紐解いて、消費増税の影響力をみていくことといたします。

直接還元法

直接還元法は、消費税抜きの収支項目で計算するのが通常なので、一見消費税の影響が無いように思えますが、実は消費税増税の影響がジワリと出てきます。

直接還元法による収益価格
=純収益(運営収益-運営費用+敷金の運用益ー資本的支出)÷還元利回り(CR)
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運営収益

運営収益は、賃料、共益費、水道光熱費(収入)、駐車場(収入)、礼金、更新料(収入)、その他収入(自販機,看板等)から、各項目の空室損失相当額を控除した金額(年間収入)となりますので、水道光熱費収入を除いて、オーナーサイドが値上げをしない限りは、通常上昇することはありません。

可能性として、物価が上昇していることなどを理由に賃料や共益費の上昇改定を打診することが考えられますが、一度決まった賃料及び共益費を変更するのは意外と難しい作業となります。また、賃料改定にはPM(プロパティ・マネジメント)業者に支払う費用が発生する可能性があります。

以上より、アップサイドはあまり期待ができません。

増税を賃料に転嫁するのは難しそうね

運営費用

運営費用は、維持管理費、水道光熱費(支出)、修繕費、原状回復費、プロパティマネジメントフィー、テナント募集費用、更新事務手数料、公租公課、保険料、地代、その他費用で構成されています。

維持管理費(BMフィー)

BM業者が値上げをしてくる可能性があります。業者は、下請け業者等に支払うコストに対して消費税がかかっているため、消費増税分を維持管理費に転嫁してくる可能性があります。

水道光熱費

今のところ消費増税が基本料金等に転嫁されるような動きはみられません。

修繕費

修繕業者が値上げをしてくる可能性があります。業者としては材料費や下請け業者等に支払うコストに対して消費税がかかっているため、消費増税分を修繕費に転嫁してくる可能性があります。

原状回復費用

内装業者が値上げをしてくる可能性があります。業者は、材料費や下請け業者等に支払うコストに対して消費税がかかっているため、消費増税分を原状回復費に転嫁してくる可能性があります。

プロパティマネジメントフィー(PMフィー)

PM報酬は、プロパティマネジメント業務委託契約書等で『賃料等収入×2%~4%』と定めているケースが多いので、消費増税を転嫁することは少ないと思われます。

テナント募集費用

テナント募集報酬は、プロパティマネジメント業務委託契約書等で『新賃料の1ヶ月分~1.5ヶ月分』と定められているケースが多いので、消費増税を転嫁することは少ないと思われます。

更新事務手数料

更新事務手数料は、プロパティマネジメント業務委託契約書等で『新賃料の0.3ヶ月分~1.0ヶ月分』と定められているケースが多いので、消費増税を転嫁することは少ないと思われます。

公租公課

消費増税の影響は受けにくいですが、消費増税の転嫁が物価上昇につながれば、建物評価額が上昇し、その結果固定資産税及び都市計画税増税につながるかもしれません。 

固定資産税・都市計画税の計算シートをご提供します 不動産鑑定士が公租公課を想定する際に使うエクセルシートです

保険料

損害保険料率算出機構は、2018年6月15日、火災保険料の基準となる「参考純率」を住宅向けで平均5.5%引き上げると発表しました。

参考純率は「純保険料」に対応する料率であり、被保険者が支払う保険料は、企業努力なども影響し、大手保険会社で5%前後上昇することが見込まれています。

損害保険各社は既に、2019年の10月に保険料率を上昇させる旨を表明しています。

表向きは、自然災害の発生頻度の上昇や、水漏れ頻度の上昇を税率アップの原因としていますが、タイミング的に消費増税の転嫁もその原因のひとつであると推察されます。

不動産オーナーが支払う保険料は非課税ですが、保険会社が修繕や再調達する際に支払うコストには消費税がかされており、これが8%だったものが10%に上昇するわけです。

保険料 = 純保険料(保険金にあてられる部分)+付加保険料(会社運営に係る経費にあてられる部分)

2019年10月から純保険料に対応する部分が5.5%程度上昇するのね。

消費増税の影響とは言い切れないけど、まったく同じタイミングで保険料が5%前後上昇すると見込まれているよ。日経新聞記事 

地代

支払い地代が消費増税の影響で変動することは考えづらいですね。

その他費用

その他費用が消費増税の影響で変動することは考えづらいですね。 

敷金の運用益及び資本的支出

敷金は変動しないと思いますが、資本的支出に関しては、修繕業者が値上げをしてくる可能性があります。業者としては材料費や下請け業者等に支払うコストに対して消費税がかかっているため、消費増税分を修繕費に転嫁してくる可能性があります。

還元利回り

消費増税の影響が直ちに還元利回りに影響を与えることはないと思いますが、今後、物価上昇等につながれば、利回りに影響がでてくると思われます。

 

以上より、2019年10月の消費税の増税は、運営収益の上昇に対する影響が少ない一方、保険料の上昇などに影響している可能性があるため、投資用不動産の価値を下げる方向に働いている可能性が高いと考えられます。

 

以上です。

また、誰にも求められていないコラムを書いてしまった。。。 

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