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業者に騙されるな!不動産鑑定士が伝授する適正家賃の査定方法。不動産投資家向け

不動産投資家の皆さん、お元気ですか!?

今日は賃料(建物の賃料は特に”家賃”といわれます)について勉強しましょう!

 

不動産の鑑定評価で一番価格に影響がある項目は、”家賃”です。

維持管理費とか、修繕費とか、還元利回りとか、評価に影響する要素は様々ありますが、評価額に影響するのは、ダントツで”家賃”なのです。

家賃をいい加減に設定していたら、毎月のキャッシュフローが悪化しますし、売買のときにも評価額が低くならざるを得ません。

 

適正な家賃を知っていれば、物件を購入するときに割安で買える可能性が高まります。

どうゆうことかというと、購入しようとしているマンションの入居テナントの家賃が割安であれば、その割安な家賃ベースで査定された物件を購入できる可能性が高いですよね?

この割安のテナントさんが退去した後、次のテナントさんを適正家賃で入居させることができるのです。つまり、購入後に物件の価値が高くなっていく可能性が高いのです。

 

逆に、適正家賃がわかっていないと、割高家賃で入居中のテナントさんがいるときに、将来的に適正な家賃になってしまう(家賃が安くなってしまう)可能性が高いので、購入後に物件の価値が下がっていってしまう可能性が高いです。

 

この超大事な『家賃』について、個人の不動産投資家さんは、PM(プロパティマネジメント)業者にお任せになっている方々もいるかもしれませんね。

 

信頼できる業者さんにお任せになっているならOKですが、そうではない場合、適正な賃料(家賃)を見極めるにはどうしたらよいのでしょうか?

 

そんな問いに答えるため、今回は、大家さん自らが適正な賃料(家賃)を査定する方法をお伝えしいたします。

意外に知られていない家賃の決定手法を、3分ほどで理解してしまいましょう!

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家賃の決め方を教えてー

 

『不動産業者』が大家さんに賃料を提案する際に用いる方法

公益社団法人全日本不動産協会が業者向けに「感覚ではない家賃査定を」というページを作成していますのでこちらが参考になると思います。

このページで「コンペア式査定法」というものを紹介しています。

内容的には、不動産鑑定用語でいうことろの「賃貸事例比較法」とよく似ています。
コンペアとは、比較する(compare)から来ているのでしょうね。

不動産鑑定士』が価格査定の一環として、賃料査定する際に用いる方法

不動産鑑定士が”賃料の鑑定評価”をする際は、色々と手法をこねくり回すので、面倒くさいのですが、そうではなくて不動産鑑定士が”価格の鑑定評価”をする際に、計算過程のひとつとして賃料を査定するときは、詳しくは後述しますが、主に上記のコンペア方式と似ていることをします。

ただし、実際のレントロール(家賃の一覧表)が手に入るケースが多いので、当然実際の家賃も重視します。

特に最近入居した部屋の賃料単価は重要視されます。

不動産鑑定士は、賃貸事例の㎡単価を比較することが多いのですが、地方では、例えば共益費込みの家賃が5万円以上になると入居希望者が激減してしまうといった地域もあることから、総額も見ながら決定していきます。

賃料は、居住者が支払う金額として把握するため、共益費込み賃料で比較するよ

㎡単価=共益費込み賃料÷貸室面積(㎡)
坪単価=㎡単価÷0.3025(㎡単価×3.3でもだいたい同じ結果が得られます。)

賃料査定の手順

1.基準階(中間階など)の家賃を求める

賃貸事例を収集し、比較することで基準階の家賃を求めます。

マンションで類似物件を比較する際、成約事例(なければ募集事例)を収集するにあたって重視することは、概ね以下の通りです。

上記のコンペア方式の説明と少し異なりますが以下の項目についてなるべく類似しているものを収集します。

すべて同じ条件の賃貸事例が集まることは少ないので、異なる要因は賃料を比較する際に微調整します(要因比較)。

  1. 地域(最寄り駅、駅からの距離、生活利便施設、ブランド)
  2. 構造(木造、軽量鉄骨、RC、SRC):静音性の影響が強いです。
  3. 設計・グレード:建物の各所に現れますが、特に廊下やエントランス、バルコニー、外壁、植栽などに現れます。
  4. 設備水準(エレベーター、オートロック、防犯カメラ、宅配ボックス、キッチン、追い炊き、フローリング、エアコン、家具付き、リニューアルの有無など)
  5. 広さ・間取り(特に単身者向けとファミリー向けは単価水準が異なります)
  6. 一時金(敷金、礼金)は、地域が類似していれば大きくは変わらないと思います。地域の水準に合わせます。

まずは基準階の賃料を査定するのね


2.階層・位置

不動産鑑定ではレントロールを把握できていることが多いので、階層・位置について詳細に比較するケースは少ないですが、大家さんとしては、各戸の格差を把握しておくのも良いかもしれません。

不動産業界では、立面図のような形で各部屋の家賃を一覧にすることがあります。

この賃料の一覧を「鳥かご」といいます。

ご存じない場合は、鳥かご・不動産 で画像検索してみてください。たくさん出てきます。

新築マンションの賃貸募集にあたっては、必ずといっていいほど作成されます。既存物件でも賃料の歪みがわかりますので、作成されることをお勧めします。

①階層
1階は、防犯、騒音、視認の観点から、基準階と比較して3%~10%ほど安くなることがありますが、庭が使えるなど特徴があればその差は小さくなると思います。

エレベーターがない場合、3階以上はだんだん家賃が下がっていきます。

最上階は静音、眺望、通風の観点から、家賃を少し上げても平気かもしれません。

②位置
日照、騒音、眺望の観点から格差を付けていきます。

居住者が納得する家賃差は1000円~3000円くらいでしょうか。

基準階を中心に縦の格差、横の格差を調整していくのね


3.格差率

各項目の格差率は、対象不動産のレントロールや、新築マンションの募集事例などを参考に決定していきます。


4.空室率

家賃と空室率は表裏一体です。

地域ごとに妥当な空室率が異なりますので、対象不動産の過去の平均空室率、不動産会社や不動産賃貸サイトの情報を参考にしながら決定します。

地域によっては、いくら家賃を下げても平均空室率が10%を下回らない(=稼働率が90%を超えない)なんてところもあるようです。

地域によって期待できる平均空室率が異なってくるのね

鑑定評価する場合は、都内では空室率が5%(ほぼ満室状態)になるように賃料設定をすることが多いよ。設定した空室率が実現できるような家賃を設定するんだよ。

 

家賃が査定できたら、是非直接還元法にチャレンジしてみてくださいね。

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